令和2年中における少年を巡る事件について
◆特殊詐欺少年の検挙状況(警視庁管内)
警視庁管内でのオレオレ詐欺等の特殊詐欺で検挙・補導された少年は116人で、前年同期比44人減少していますが、少年が占める割合は16.7パーセントであり、少年の関与が大きな社会問題となっています。学職別では、無職少年が62人と最も多く、次いで高校生が24人となっています。
役割別では、受け子が86人(74.1%)で最も多く、次いで、出し子が13人(11.3%)となっており、依然として手っ取り早いアルバイト感覚などで加担している状況が認められます。
◆SNS利用を契機として犯罪に巻き込まれるケースが大(全国)
昨年1年間に犯罪に巻き込まれた18歳未満の子どもは全国で1,819人で、悪用されたSNSは「ツイッター」が最多の642人(警察庁まとめ)。若者に人気の動画共有アプリ「TikTokティックトック」の被害者数は76人でした。このティックトックは、規約で13歳未満の利用を禁止していますが、親の名義で利用するケースがあるようです。
全体の被害児童数は、コロナ禍の自粛要請もあってか前年の2,082人から262人減少。被害者の内訳は、高校生が917人、中学生が695人で合わせて9割を占め、小学生は84人でした。
罪種別では、淫行などの青少年育成保護条例違反が738人、児童ポルノが597人、児童買春が311人で性被害が大半を占めています。
◆児童虐待事件最多(全国)
昨年1年間での児童虐待事件は2,133件で、前年比161件増加で過去最多でした。この背景には新型コロナの感染拡大防止で在宅時間が延びたことや、虐待への関心など地域住民からの通報が増加していることがあるとみられます。
内訳は、暴力などの「身体的虐待」が1,756件で全体の82%を占めています。次いで「性的虐待」、「心理的虐待」、「育児放棄」(ネグレスト)の順となっています。
加害者は実父が45%と多く、実母が26%、養父・継父が13%、内縁の夫が9%でした。虐待案件は、年々増加傾向にあります。
◆大麻事件摘発最多(全国)
大麻事件で摘発した少年は887人で、前年比278人増加の過去最多と急増しています。2015年の144人から5年間で約6倍に増加し、若者への蔓延が深刻化している状況にあります。
大麻の所持や譲渡で摘発されたのは、男子が793人、女子が94人で、高校生は前年比50人増の159人と急増しています。
昨年は、大学の運動部などで大麻の使用が相次いで発覚したことでも蔓延化が懸念されるところです。
大麻事件 少年の摘発人数 5年で約6倍に増加
◆少年犯罪検挙事例(警視庁管内)
〇公園内で専門学校生らに暴行を加えて傷害を負わせ、現金等を奪った高校生ら少年6人が強盗致傷罪で検挙。
〇持続化給付金を少年に不正申請させ、100万円を振り込ませた成人が詐欺罪で検挙。
〇歩行中の被害者にオートバイに乗車して近づき、現金入りバッグをひったくった高校生らが窃盗罪で検挙。
〇万引きをするため、店員の呼出し役や商品の盗み役と役割分担を決めて、コンビニエンスストアで電子タバコキットを盗んだ高校生らが窃盗罪で検挙。
〇女性関係でトラブルとなった被害者を公園に呼び出し、現金200万円を脅し取るなどした高校生らが恐喝罪で検挙。
〇金融庁職員を装ってキャッシュカードをすり替えて盗み、コンビニ店のATMから現金150万円を引き出すなどした高校生らが窃盗、電子計算機使用詐欺罪で検挙。
セキュリティー対策など
〇不正アクセス
IDパスワードは、インターネット上で個人を特定する大切な情報です。使い回しをせず、他人に推測されにくいものを設定しましょう。
〇投稿トラブル
いたずらや面白半分で、人を不快にさせる写真や犯行予告等を投稿してはいけません。投稿を見た多くの人によって誹謗中傷されたり、特定された個人情報と一緒にインターネット上に拡散されてして、自宅や学校などに苦情が殺到するなどの事例が後を絶ちません。投稿内容が犯罪にあたる場合には、自身が社会的な責任を負わなければなりません。
また、交際中に撮影したプライベートな写真が元恋人によってインターネット上に拡散されてしまうという事案も多発生しています。たとえ親密な仲であったとしても、友人や家族に見せられない写真を撮って恋人に送ったり、撮らせたりしてはいけません。
〇個人情報の管理
インターネット上に流出した情報を完全に削除することはできません。トラブルや犯罪から守るために、個人情報や個人が特定される写真、位置情報(GPS情報)を含んだ写真や、他人の目に触れるような写真を投稿しないようにしましょう。
〇不正アクセス
IDパスワードは、インターネット上で個人を特定する大切な情報です。使い回しをせず、他人に推測されにくいものを設定しましょう。
〇投稿トラブル
いたずらや面白半分で、人を不快にさせる写真や犯行予告等を投稿してはいけません。投稿を見た多くの人によって誹謗中傷されたり、特定された個人情報と一緒にインターネット上に拡散されてして、自宅や学校などに苦情が殺到するなどの事例が後を絶ちません。投稿内容が犯罪にあたる場合には、自身が社会的な責任を負わなければなりません。
また、交際中に撮影したプライベートな写真が元恋人によってインターネット上に拡散されてしまうという事案も多発生しています。たとえ親密な仲であったとしても、友人や家族に見せられない写真を撮って恋人に送ったり、撮らせたりしてはいけません。
〇個人情報の管理
インターネット上に流出した情報を完全に削除することはできません。トラブルや犯罪から守るために、個人情報や個人が特定される写真、位置情報(GPS情報)を含んだ写真や、他人の目に触れるような写真を投稿しないようにしましょう。
~「考えよう 見えない画面の 向こう側」~
(広報紙「情報セキュリティ広場」から抜粋)
◆少年の福祉を害する犯罪の検挙事例(警視庁管内)
〇12歳の女子中学生に現金を渡してインターネットカフェ内で性交した会社員の男性が強制性交等罪及び児童買春・児童ポルノ法違反で検挙。
〇17歳の女子高校生に対して「JK」店舗に雇い入れる立場を利用して、わいせつな行為をし、その姿態を携帯電話で撮影して、児童ポルノを製造したアルバイト男性が児童福祉法違反及び児童ポルノ法(製造)違反で検挙。
(報道記事、警察及び防犯協会発行資料など参照)
この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。