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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
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保護者クレーム対応の基本と録音してくる保護者への対応

最近は学校がどんなに丁寧で誠実な対応をしても、全く聞く耳を持たず、あたかも学校を混乱させることに使命感でも持っているかのような保護者からのクレームに関する相談が増えています。このような場合はどう考えて対応すれば良いのでしょうか?
ポイントは次の3つです。以下の基本をまずは確認してください。

◆保護者クレーム対応の基本


①保護者の状態を理解する

クレームを入れてくる保護者は怒っている状態です。当たり前のことですがこれを忘れないでください。そして、怒っている人は、判断力や理解力が低下していることを理解することが重要です。また、人間は本能と理性で感情のバランスを取って生活をしていますが、怒っている人は本能が理性よりも優っている状態なのです。
要するに本能的であるという事は攻撃的で防衛的だと言うことです。怒っている人にはこのような特徴があることを理解する必要があります。
あなたは怒っている状態の人を一生懸命説得していませんか?

②普通の人になってもらう

上述したように、怒っている人には基本的に 普通の話は通用しません。それは、判断力や理解力が低下しているからです。また、本能的でもあるため、自分への話を攻撃であると感じてしまうのです。そうすると逆に保護者から反撃されてしまいます。ではどうすれば良いのかというと、それは怒っている状態ではなく、普通の状態になってもらうということです。

③初期対応の基本原則で対応する

普通の状態になってもらうために具体的に意識することは以下のとおりです。

(1)限定的な謝罪
これは端的に言うと、責任論以外の謝罪ということになります。在校生が怪我をしてしまい責任の所在がはっきりしない段階では、自らその責任がある旨の謝罪をするのではなく、校内でこのような事が発生してしまったことや、ご不快な思いをさせてしまったことに対して謝罪します。この謝罪は、責任問題の論点に言及させないまま、保護者の感情を鎮静化させる効果があるのです。

(2)話を聞く
クレーム対応の際は自らの話を沢山してしまいがちですが、特に初期対応の時は自ら話をするのではなく、保護者の話を聞くことが大切です。話を聞くことで、情報量が増えるため、なぜ怒っているのかが理解しやすくなりますし、保護者の興奮を抑制する効果もあるのです。

(3)言い訳をしない
初期対応の時の言い訳は致命的です。これは「言い訳」ではなく「説明」でも一緒です。なぜなら、この時の保護者は怒っているので、たとえそれが全うな説明だとしても、それを言い訳や自分への攻撃だと解釈してしまうからです。
怒っている人は正しく話を聞ける状態ではないのです。

(4)禁句を使わない
ここでいう禁句とは、相手を不快にさせるキーワードのことを指します。だけど、でも、しかし、ですから、だから、先程も話しましたがetc…です。このような言葉は相手を否定する言葉の代表格です。これらの代わりに、そして、その上で、などを使用するようにしましょう。このような接続詞を使うことで、「保護者のご意向を踏まえています」とのニュアンスが伝わります。

◆録音をしてくる保護者への対応


クレーム対応が拗れて長引いているときは、保護者が学校側の対応を録音してくるケースもあると思いますが、保護者が録音の希望を学校に告げてきた場合でも、それに怯んではいけません。
ここでは、録音を切り出された場合の切り返し方を参考までにお伝えします。

①「録音して頂いても構いませんが、学校としてもこれからの話についてお母様と同じ情報を共有しておきたいので、同様に録音をさせて頂きます。予めご了承ください。」

②「録音は構いませんが、本日は息子さんのことを本音でお母様と話し合うために準備をしてきました。しかし目の前に録音機があると、私も人間ですので少し身構えてしまいます。そういう面ではマイナスに作用することもあるかと思いますので、その点は予めご了承ください。」

③「録音して頂いても構いませんが、私も担任として○○様の話を漏れなく校長に伝える責任があるので、同じように録音をさせて頂きます。その点はご了承ください。」

その他にも、相手の不法行為を問題にして論点にしてしまう方法や、弁護士や警察に相談し、それを保護者に告げて牽制をする方法等、いくつもやり方はあるのですが、それでも解決が難しいケースもあります。そのような場合、校長や教育委員会等の決断が必要になりますが、激しいクレームから一瞬で解放された事例があります。しかし、残念ながら、この方法は文章に残せる内容ではないため、私の研修会で直接お伝えしています。

直近では、5月29日(水)に研修会が開催されますので、クレーム対応の基本的な考え方や効果があるノウハウ、そして、激しいクレームから一瞬で解放された事例を知りたい場合には、是非、研修会へご参加ください。詳細は同封されているご案内に記載してあります。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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