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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

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危機管理研修会のご報告

はじめまして


皆様初めまして。学校リスクマネジメント推進機構コンサルタントの吉村圭太と申します。今回の学校リスクマネジメント通信は私が担当させていただきました。末永く宜しくお願い申し上げます。
さて、今年も早いもので師走となりました。教職員の皆様にとっては、定期試験に学期末査定、三者面談など、教育活動において日常と異なるアクションが求められる時期であると思います。皆様が予想だにしない危機が発生するリスクが高くなる時期とも考えられます。ご多用な時期とは思いますが、是非このようなタイミングで今一度、学校が抱える様々な課題に対するリスクを隅々まで想定し直してみてはいかがでしょうか。私ども学校リスクマネジメント推進機構でも、年末を迎え、1年の振り返りをさせていただいております。改めまして当機構に対し、本年もご愛顧いただき誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

「トラブル発生時の危機対応」事例研修会


さて今回は、当機構が主催する研修会のご報告として、当機構がご支援させていただいた事例を紹介いたします。尚、こちらに綴る事例は、本人や学校、関係者等のプライバシーを保護するため、個人や学校が特定されないように、一部に編集を加えご紹介させていただきます。
今回ご紹介させていただく内容を参考に今後の児童、生徒、学生等の対応に活かしてみてはいかがでしょうか。また、これまで当機構の研修に参加されたことのない方は是非、次回以降の研修へのご参加を検討いただければ幸いです。

先の11月25日、当機構が主催する学校危機管理研修会「トラブル発生時の危機対応」事例研修をアルカディア市ヶ谷にて開催させていただきました。当日は全国の学校から管理職、または各担当主任の先生方に多数お集まりいただき、当機構代表宮下賢路より講演をさせていただきました。参加者も小学校から専門学校、大学まで、さらには特別区の教育委員会様にもご出席いただき、改めて教育現場における危機管理の重要性を認識した次第でございます。



それでは、研修会でご紹介した当機構のトラブル対応事例を抜粋し共有させて頂きます。

【事例】
~教員が児童買春で逮捕された。この事態の影響を最小限にするために支援して欲しい。~

【支援概要】
迅速に学校に赴き警察対応、メディア対応、保護者対応のリハーサルを含めて具体的に支援。Q&Aの作成も指導いたしました。また、教員の逮捕事実を生徒へ伝達する際も心理的な影響の少ない言語を具体的にアドバイス。ネットの風評防止や生徒のフォローも同時に実施。
該当教員が繰り返し違法行為を行っていた悪質な事件であったため、当機構の支援がなかった場合、教員を野放しにしていた学校の評価は著しく失墜し、ブランドは低下、翌年の生徒募集にかなりの影響が出ることが予想される状況でした。

【結果】
当機構で泊まり込みの支援を実施したことにより、マスコミ報道や保護者クレームの影響を最小限に抑えることに成功しました。また、対応が迅速かつ丁寧だったため、保護者の中から本件に対する支援者(理解者)も多数現れました。

【解説】
この事例について、当機構では情報収集と情報整理に注力して現状把握を行いました。その上でどこにリスクが孕んでいるのかを洗い出しました。
事案が悪質であるが故、報道に出ることが分かった時点で、事前に学校のホームページに自分たちから事実を掲載するのが好ましい状況でした。一般的な対応では、メディアに事件が露出してから、様々なクレームや悪評が発生し、教職員はその対応に迫られていくのですが、こちらからホームページに情報を開示していくことは報道価値を下げることに繋げられるため、この方法を採用しました。
つまり、マスコミが学校のホームページに掲載されている内容をそのまま報道するということは二番煎じになるため、記者の報道意欲を下げることを意識した方法になります。

また、不安を持つ保護者への対応も迅速さがキーになるため、この事案の保護者への連絡については夜でも良いので速やかに連絡をすることが重要でした。それは、報道で教員の逮捕を知るよりも先に、学校から連絡があることで、誠実さを示せるからです。そういった意味では日頃から保護者への緊急連絡ツールや仕組みを整えておくことも重要なリスクマネジメントになってきます。
また、この事案は臨時保護者会の開催は翌日、もしくは翌々日に行うことが好ましいケースでもありました。なぜなら、たとえばマスコミに大きく取り上げられた10日後などに保護者会を開催すれば、学校への不信感が募るだけではなく、学校の準備期間が10日もあるので、全ての質問に学校が回答できるだろうという前提で保護者が参加してくることになるからです。
仮に学校が質問に回答できなかった場合は保護者から「この10日間、学校は何をやっていたんですか!」との声もあがりやすいと思います。

研修会参加者の声


研修会に参加された皆様の感想を挙げさせていただきますと、まず「今回の研修は役に立ちましたか?」とのアンケートの問いについては、全参加者から「とても役にたった」もしくは「役に立った」と嬉しいお言葉を賜ることが出来ました。また、9割の受講者からこの研修を「自校でも実施したい」もしくは「検討したい」と積極的なご意見を頂戴することができました。学校危機管理のノウハウは一部の先生が認識しておけば良いというものではありません。トラブルはどこで、どのクラスに対して、どの先生をターゲットにして発生するのかは誰も分かりません。したがって、学校全体(教職員全体)で、2020年の教育改革に併せ、危機管理意識の改革も必要なのではないでしょうか。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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