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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

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危機管理に強い学校の特徴とは

トラブルの発生頻度や発生後の影響度が抑えられている学校では、独自の個性や校風を活かした対応をしている部分があると我々は感じています。同じようなトラブルであっても各々の学校によって解決策が異なる場合があるのです。何故なら、学校毎でそれぞれ異なった文化や組織構造、また、児童生徒等の性質に違いがあるからです。
不祥事発生時の陣頭指揮1つを考えても、理事長が積極的に関与する学校もあれば、校長や教頭が陣頭に立つ場合も当然あります。また、対策を指示し、実行まで速やかに持っていける学校もあれば、実行するために会議をしてしまう学校もあるのです。

トラブル発生後の在校生への精神的なダメージを緩和するために、外部カウンセラーを迅速に増員できる学校はそれを行い、他方、そのような対策と併せて自校の敷地内にある御堂でお祈りを捧げながら混乱を鎮めていく学校もあるのです。勿論、当機構でも蓄積されたノウハウと専門性を軸にした危機管理対策を迅速に提供させて頂いている訳なのですが、その支援の効果を高めていくためには、学校側の高い意識や「一丸となれる言葉や文化」、「気風」「誇り」等が整っていることが望ましいと感じています。各々の学校がそれぞれに有している「らしさ」を管理職以下、教職員がしっかりと理解することにより状況が優位に働くことが多々あるのです。

◆「誇りを伴う学校らしさ」を持って危機を乗り切った学校の一例


トラブル発生時に「職員が一丸となってそれを見事に乗り切った学校」がありました。これは教職員全体が自分の学校に誇りを持っていて、且つ、学校らしさを大切にしている精神があったので対応が適切でスムーズだったということです。さらにこの学校の管理職は外部の意見を積極的に取り入れる姿勢を持ちつつも、それを自校らしさと結合し対策を構築していくという柔軟な視点を持ち合わせていました。教職員を交えた緊急対応会議では、直面するトラブルの対応策が吟味され、早急に実行されていました。このようなチームワークの良さや連帯感、実行力が危機発生時には重要となることは言うまでもありません。

そして、児童生徒等に対するメンタルケアにおいても比重が置かれていました。その会議には複数の外部カウンセラーが駆けつけ、メンタルケアのためのスケジュールと戦略が一気に構築されていきました。ちなみにこの時のトラブルというのは、マスコミ等による誇大報道が想定されるような甚大な事故に起因するものでした。更には拡散しつつあったSNSによる情報の影響で当該校の児童生徒等だけではなく、保護者も含めた大きな混乱を招く事態も予想されました。しかし結果的には、その後の派生リスクが表面化されることも無く、混乱も最小限に食い止めることが叶いました。その後の保護者会でも「誇りを伴う学校らしさ」を前面に出した説明をしたことで、保護者の理解を得ることができたのです。

後日、この事案について考察すると、学校から相談を受け、当機構が学校へ駆けつけ、トラブル解決のノウハウを投入しましたが、特筆すべきは、「誇りを伴う学校らしさ」が十二分に発揮されたことにより、解決の精度が高まったということです。「誇りを伴う学校らしさ」とはその学校にしかない特別な価値で、長年に亘り引き継がれてきた学校の精神です。このような精神が危機管理の概念に影響するということを意識することによって、学校独自の解決策が見えてくるのかもしれません。

◆教職員採用がトラブルの引き金に


「誇りを伴う学校らしさ」を定着させていくのは、あくまでも人です。環境や仕組みが整備されていたとしても、その環境に馴染めない教員や、その仕組みを運用できない教職員が存在する場合、学校らしさを体現することは難しいはずです。教員の入口、つまり教職員の採用に占める重要度というものは、危機管理上においても大きなウエイトを占めていると言っても過言ではありません。

その重要度を理解した上で、教職員の採用についての対策を施している学校もあります。これまでの経歴はもとより、その経歴の中で教職員として不適切な事件事故を起こしているのか否か、若しくは自校の運営を妨げる可能性のある利害関係を有しているのか否か、こういった情報は恐らく履歴書や職務経歴書からは判断できません。しかしながら教職員を採用するに当たって、管理職からしてみればこれは一番知りたいはずの情報です。

当該教員が入職後に、以前から不祥事等を起こしている事実が判明したとしても、いきなり退職を求めることは難しいと思います。これは教職員採用時で最も気を付けなければならないハザードだと思います。このように不適切な教職員を自校に入職させないということは大局的に考えれば、問題行動の発生頻度を下げることにも繋がりますし、教職員同士のトラブルが起きづらい組織環境を構築していくことにも繋がっていくのではないでしょうか。
このことが「誇りを伴う学校らしさ」に共鳴できる健全な教員を育てていくことのポイントだと思います。自校に誇りを持ち、学校らしさに共鳴できる教職員が決断力と実行力を身に付け、後に危機管理担当を担う。

そういった人材を登用・配置することでトラブルの発生率や発生後の影響度は改善されていくものと考えます。こういった仕組みを作ろうと当機構の危機管理研修を積極的に受講されている学校もあります。育てた人材は、危機を防ぐための貴重な財産になっていくはずです。
「学校危機管理診断」が始まります。

教職員の連帯感もある、、、

校風もしっかりしている、、、

他校と比べ自校では何が足りないのか、、、


『トラブルが発生しやすい学校とそうではない学校』または、『トラブル解決が上手くいく学校とそうではない学校』では、果たして何が違うのでしょうか?当機構では15年間に亘り学校に特化した危機管理支援を続けてきた結果、この違いには傾向があるという事を知り得ています。これは危機管理や法律といった専門の知識や経験だけにフォーカスしたものではなく、学校の個性や校風といった学校それぞれが有しているものを組み合わせて構築されております。このような中、当機構では、貴校の危機管理状況をできるだけ客観的に判断するため、新たなコンテンツを開発致しました。それが『学校危機管理診断』です。実装までは今しばらく時間を頂戴するかとは思いますが、準備が整い次第、貴校にもご案内をさせて頂く予定です。




この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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