ChatGPTについて
昨今、ChatGPTに対する関心が高まっています。
このニュースレターでは、学校現場での活用方法の参考や、利用に伴うリスクについての概略をお届けします。
◆ChatGPTとは何か?
ChatGPTは、自然言語処理を行い、人間のように会話をすることができる人工知能の一種で、サンフランシスコのOpenAI社が開発しました。
この技術が普及することで、世界は大きく変わるとされており、教育分野もその例外ではありません。
東京大学大学院工学系研究科教授の松尾豊氏は、インターネットでの検索がなくなる可能性や、Office製品が全て変わること、さらに情報の収集や要約、可視化まで自動化される可能性を指摘しています。
そして、目的に特化したChatGPTが登場することで、ホワイトカラーの仕事のほとんどすべてに何らかの影響がある可能性が高いと結論づけています。
OpenAIは、2023年3月14日に、性能が向上した大規模言語モデル「GPT-4」を発表しました。
一部報道によれば、米国司法試験の模擬問題を解かせたところ、上位10%のスコアで合格したとのことです。
AIが児童や生徒たちに浸透するのも時間の問題で、他のソフトウェアとの連携も急速に進んでいるため、教職員がまずは試してみることが大切です。
アカウントの作成はこちらから可能です。
https://chat.openai.com/auth/login
◆活用方法の参考
学校現場での活用方法は無限にありますが、一例として、「小学校5年生向けの20分で解ける100点満点の国語のテスト問題を平均が70点になるように3パターン作成して」と指示すると、すぐにそれに基づいた問題が作成されます。
不正確な部分もあるものの、完成した問題に対して「答えと解説を教えて」と入力すれば即回答が表示され、さらに「解説のポイントを表にして」と入力すると表がすぐに作成されます。
不正確な部分は日々改善されており、実際に利用してみるとその進化が実感できます。
◆利用に伴うリスク
利用に伴うリスクや問題点も存在しています。
例えば、宿題で作文やレポートを児童生徒に出した場合、ChatGPTを使って瞬時に文章が作成されてしまうことがあります。
構成や見出し、段落、文字数の指定や文字の校正まで可能であるため、学校は今後、入試やテスト、レポート、論文などの提出に対する意義や目的を再構築する必要があります。
さらに、情報の正確性にも注意が必要です。
ChatGPTはインターネット上の情報をもとに回答を生成しますが、その情報が常に正確であるとは限りません。
また、個人情報やプライバシーに関する問題も懸念されていますので、教育現場での利用にあたっては、生徒や保護者に十分な説明を行い、安全対策を講じることが重要です。
他にも多くのリスクが懸念されており、教職員が実際に利用してみることでリスクが想定しやすくなると思います。
すでに一部の大学では、AIで生成された論文の検出に対策を講じており、判明した場合は「厳格な対応」が取られることになっています。
しかし、質問方法を工夫することで検知されない文章のヒントまで得られるため、その効果は限定的かもしれません。
文部科学省は、ガイドラインの作成に取り組んでいるとされています。
今後もこの問題に注目していくことが重要です。
ChatGPTの進化とともに、教育現場での適切な活用方法や対策を見極め、児童や生徒たちにとって有益な学習環境を提供していくことが求められています。
教職員は、これらのリスクを十分に把握した上で、より効果的な指導方法を探求しながら、AI技術を随時、適切に導入することができると思います。
技術の進歩に伴い、教育界も柔軟に対応し、継続的な改善を目指すことが重要と考えております。
※この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。