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令和３年中における犯罪概要
今回の学校リスクマネジメント通信は、令和３年における犯罪傾向と主な検挙事例等についてお伝えしたいと思います。 ◆ 我が国における昨年中の刑法犯認知件数は７年連続で減少傾向を更新したものの、本年２月に警察庁が公表したアンケート調査では、６４％が「ここ１０ 年で治安が悪くなった」と感じています。多くの方は電車内での無差別殺傷事件や高齢者が被害に遭う特殊詐欺の印象が強かったものと思われます。 ◆ 都内における刑法犯認知件数は、7万5,288件で、前年同期と比べて7,477件（9.0％）減少し、平成15年以降連続して減少しています。 また、刑法犯少年の検挙・補導人員は、2,925人で、前年同期と比べて229人（7.3％）減少しました。街頭犯罪の認知件数は、2万3,608件で、4,571件（16.2％）減少し、街頭犯罪における少年の検挙・補導人員は、320人で、186人（36.8％）減少しました。 特に街頭犯罪のうち、少年の検挙・補導人員の占める割合が高い罪種は、オートバイ盗（87.9％）、部品ねらい（70.8％）でした。 ◆ 少年犯罪の状況（都内） 刑法犯少年の検挙・補導人員は、平成22年以降、減少しており、ひったくり等の街頭犯罪についても、軒並み減少しています。 その中で、オレオレ詐欺等の特殊詐欺で検挙・補導された少年は130人で、前年同期比14人増加し、少年が占める割合は17.7％と、依然として少年の関与が大きな社会問題となっています。
【特殊詐欺で検挙された少年の役割別人員】
※「出し子」とは、ATM操作で現金を騙し取る役。「受け子」とは、直接被害者から現金を騙し受け取る役。「架け子」とは、電話で被害者へ騙しのトークをする役。「リクルーター」とは、アルバイトと称して加担する者を募集・斡旋する役。 ※アルバイト感覚で犯罪に加担しているのが実態です。
◆ 少年に関する主な検挙事例
少年自らが犯す事案の他に、少年が被害に巻き込まれてしまう事案も目立っています。以下に主な検挙事例を列挙しました。 ①帰宅途中の男性に少女が声をかけ、そのことに別の少年らが因縁をつけ暴行して全治約1か月を要する傷害を負わせ、現金等を奪った少年らが強盗致傷罪で検挙 ②女性方に宅配業者を装って訪問し、被害者に対し「お金を出せば帰る。」などと言い、逃げようとする被害者の両腕をつかんで引っ張り、床に転倒させるなどの暴行を加え怪我を負わせ、現金約600万円を強奪するなどした高校生ら３人が強盗致傷罪などで検挙 ③友人間のトラブルから、少年の顔面をタオルで目隠しして押さえ込んだ状態で車両を走行させて監禁して、顔面や腹部に殴る蹴るなどの暴行を加え、全治約1か月を要する傷害を負わせた高校生ら４人が監禁罪及び傷害罪で検挙 ④仲間内のトラブルから葛飾区所在の河川敷付近において、被害者に対して因縁をつけ、たばこの火を押しつけるなどの暴行を加えた女子高校生らが傷害罪で検挙 ⑤北区所在の緑地において、コルク狩りと称して、コルクのヘルメットを被っていた少年らに顔面に頭突きをしたり、腹部等を足蹴りしたりするなどの暴行を加え、傷害を負わせた高校生ら3人が傷害罪で検挙 ⑥コンビニエンスストアにおいて、共犯者が商品をレジに持ち込み、店員の気を引いている隙に、買物カゴごと多数の商品（菓子類）を万引きした少年と、電動アシスト自転車のバッテリーを盗んで転売した高校生ら３人が窃盗罪で検挙 ⑦練馬区所在の公園内において、公園内のベンチに座っていた男性から小型ゲーム機等を盗んだ高校生ら3人が窃盗罪で検挙 ⑧公園内のトイレ等に接着剤を付着させて損壊した高校生ら5人が建造物損壊、器物損壊罪で検挙 ⑨１６歳及び１７歳の女子児童を雇い入れ、客には飲食店の客であることを隠してデートを装い来店させ、客席で酒類等の飲食や会話の相手をさせるなどの接待をさせた男ら３人を児童福祉法違反（有害支配）で検挙 ⑩１６歳の女子児童をモデルとした撮影会を営み、客の求めに応じて下着や水着姿でわいせつなポーズをとらせて児童ポルノを製造した芸能事務所経営の男を児童買春・児童ポルノ法違反で検挙 ⑪１３歳の女子中学生に現金を渡してわいせつな行為をした上、携帯カメラで画像撮影した会社員の男を児童買春・児童ポルノ法違反で検挙 ⑫１４歳の女子中学生にわいせつな姿態をとらせて撮影させたわいせつ画像データを自己のスマートフォンに送信させ、さらにホテル内においてみだらな行為をした会社員の男を児童買春・児童ポルノ法違反などで検挙（警察統計資料、東京都防犯協会発行資料、報道記事等参考）
以上、生徒指導の参考にして頂けると幸いです。
この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。